KRIPTONのブックシェルフラインナップの中核モデル、3番台がモデルチェンジ。新境地を切り開いたKX-5PXに続き、このKX-3SXも新開発の内部配線材を採用し、生まれ変わりました。
今回はこのKX-3SXのご紹介です。
例によって、密閉型というアイデンティティ、外観サイズを含め仕様ユニットを含め、基本的には変更点がありません。
お馴染みの35mmピュアシルク・リングダイアフラム型ツィーター。
店頭のKX-3Spirit(左)と並べてみました。新しいクルトミュラー・コーンは紫色も鮮やか。こちらは将来的にはSpiritと同じように落ち着いた色味に変わっていきます。突板はスモークユーカリから「ワンダーローズつき板」に変更となりました。より筋目がはっきりと出ているのが特徴です。
本体サイズは変わりませんが、突板が若干厚くなっているそうです。背面は、これまでのような折り返しが無く、一面フラットに。抜かりの無いブラッシュアップです。
最初に生まれ変わった、と書きましたが、大げさに感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、KX-5PX登場以降のKRIPTONサウンドはまさに「生まれ変わった」というにふさわしい進化を遂げています。密閉型の良さと密閉型らしからぬすっきりとした音離れの良さを併せ持った、国産スピーカーの新境地に達しているといっても過言ではありません。今回のKX-3SXも期待通りの仕上がりとなっていました。
そのKRIPTONサウンドを支えるのはKX-5PXから採用されている新配線材、ウーハー側には「ポリエチレン芯にPC-Triple Cφ0.33×7本6束をロープ撚りにして絹の介在を使用した構造」(SC-HR1500)、ツィーターは「マグネシウム芯線の外周にPC-Triple Cを6本撚りにした構造」(SC-HR1300)。もちろんKX-3SXにも投入されました。(ちなみにどちらも50cmで4,000~6,000円の高級ケーブル)
背面のジャンパーケーブルももちろん変更されており、KX-3SXのジャンパーケーブルはウーファー用内部配線材(SC-HR1500)と同じものが使用されています。
音の方は期待通り。余計な低音は鳴らず、中高域の抜けの良さは格別、瑞々しい音の浸透力でキツさも感じません。今回も様々なソースで試聴しましたが、一番印象的だったのはボーカルでした。特にフォーク・カントリー系の凛としたボーカルは、清らかで印象的でした。
Kacey Musgravesと言えばRainbow。リバーブ感が気持ちよく再生されます。
今回のデモで最も印象的だったカナダのフォークシンガー Raylene Rankin – All The Diamonds
歌声は前に出すぎることなく、スピーカーの真ん中にきちんと口のサイズに再現されます。グイグイ前に出てくるわけではありません。少し控えめな音像で、聴いているといつのまにかスピーカーに引き込まれてしまいます。
国産オーディオはともすると感情的な表現が苦手と言われることもありますが、このスピーカーは情緒的な部分も上手に表現してくれます。情熱的ではありませんが、静かに染み入るような表現、是非一度皆様にお試しいただきたいスピーカーです。
なお、既に皆様お気づきかと思いますが、エネルギッシュな再生やパワフルな音圧、リスニングをぐいぐい引っ張ってくれるような音を狙っている方には、あまりお勧めできません。その点は注意が必要です。
KX-3SX、お茶の水店ではレギュラーで展示・演奏しております。皆様のご試聴、心よりお待ちしております。
※展示は予告なく終了する場合がございます。確実な試聴をご希望の際は事前にご確認いただけますよう、お願い申し上げます。
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